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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第7章 ~ご主人様の甘い誘惑~

八年前、告別式が終わり哀しみにふける間もなくほどなくして新しい王の誕生に国中が祝う戴冠式となった。
当時のリキマシア国はまだ戦火にあり国民は不安に駆られていた。国王の崩御による不安を新国王誕生で盛大に行うこととなった。
本来なら半年ほどかけて戴冠式の準備を行う。
だが、コスモ国への牽制の意味を含んだ戴冠式は直に行われた。
当時まだ十歳である新国王。
その告別式に参列した者たちも、既に新国王の誕生に期待の意を込め言葉をかける。
人は星に帰り星に生まれる。
国王は星に帰ったのだ、星となりこの国を見守ってくれる。そして巡りまた星に生まれる。
今でこそその意味を知るも、当時幼かった子供たちがどれだけその意味を理解していたのか。
街並みを眺める景色がほんの少し寂しく映った。

