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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~


「まだ、起きてたのか?」

 ルカは談話室に戻り、カウチソファで呑み続けていたケイルに話しかけた。

「ああ」

 ルカはソファにおいてあるジャケットをはおりマントを手に持つ。

「ルカ、このまま言わないつもりか?」

 珍しくケイルからその話を振ってきた。
 妹、サクナのことがよほど気になるのだろう。

 サクナが祈りをしている間にルカは、ケイルに遠征に行っているときの報告を訊いた。

 サクナが、ルカの初恋の相手のことを気にしているとその時初めて知った。

「言わないよ、サクが訊いてきたら言うけど」

「それは、もうだいじょうぶなんだろ? 他に理由があるのか?」

 ルカはカウチソファに腰を掛けケイルに酌する。

 
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