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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章 ~夜宴は月夜の下で~
ミモリは、貴族の娘たちに情報を洩らし、サクナを精神的に追いやる。
ルカは自分が招いた事とはいえ、ついにミモリの行動を許せなくなった。
此度の遠征はその為だった。
共犯の可能性もある叔父を探り、ミモリの目的を知ることだった。しかし、叔父は何も知らなかった。
言葉通り、ミモリは花嫁修業の為に王宮に仕えたのだと。その言葉に偽りは感じなかった。
どうやらミモリの単独犯である可能性が高い。
「ナーシサス公爵は、承諾してくれたのだろ?」
「ああ、詳しい事まで話してはないが、ヴィストとの婚約を承諾してくれた」
ヴィストーター・プセオッド・サブ・セサイル公爵。
ナーシサス公爵の隣の領地を護るセサイル公爵。
宰相ヴェロニッカの孫息子である。
「コレで解決か?」
「本人にはまだ話してはないけど、ヴィストはもう王宮に居る」