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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~


「何事もほどほどが一番ですな。陛下は黙って見ておられるのですか?」

「チカラなき者たちにとって俺たちが手を貸すのは所詮エゴに過ぎない。今は傍観者でいるよ」


 星を護るのも人に与えられた使命。
 しかし、その力を奪ってしまえば何億人もの人が困るやもしれない。それほど星のエネルギーを利用したコスモ国の生活は豊かで便利になっている。

 彼らにとって必要不可欠な知恵と知識の産物である。


「それではコスモ国はしばらくは警戒しなくても良さうですかな?」

「絶対とは言えないけどな、国王はそれどころじゃないだろう」

 和平を結んだとは言えコスモ国王は信用ならぬ人物、いつ和平を放棄してもおかしくはない。

 最も外壁がある限りだいじょうぶではあるが。

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