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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~

「さてと、じゃまた明日な」

 報告も終わりルカはソファから立ち上がる。

「お疲れ様でした陛下。して、例のけんはいかほどに?」

「取り敢えず、ヴィストは補佐官を見張ってくれ」

「ん? 婚姻の話はしないの?」

「俺だってそこまで強制はしたくない」

「そんなこと言って、本当は補佐官に言い寄られなくなるのが寂しんでしょ?」

 ルカはジトっーとヴィストーターを睨みつける。

「お前と一緒にするな」

「ほんと陛下って、つまんない男ですね、言い寄られるなら喰ってしまえば問題解決じゃないですか」

「それをつまらないと言うならそれで良い、そしてそれは何の問題の解決にもならない」

 ヴィストーターと言う男はそういう男であった。

 
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