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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第10章  ~暗闇の誘惑~


「お飲み物はいかがしましょう」


 給仕係の者が飲み物をすすめてくる。
 トレイの上には白い飲み物と、赤い飲み物があった。

「あ……兄様は?」

「俺はいい」

 サクナは折角だからと、白い飲み物の方を頂く。

 それを受け取った時、


「ジュース飲むんですか? アルコールは苦手なのかな?」

 そう話しかけながら、給仕係から赤い飲むものを貰い、サクナの隣りに座った。


「あ、いえ……」

「この地方の葡萄酒は美味しいですからね、サクナも飲んだら?」

「いいえ、ジュースでいいです」

 給仕係の人が待っていたのでとりあえずこたえた。一礼をし給仕係の人は他の場所へゆく。

 
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