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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第11章 ~ 落花流水の情~

サクナは浅く呼吸をしながらルカの首元に顔を埋める。優しくルカは髪を撫でてくれた。
「あ、れ? ……ルカ、香り変わった?」
温室内は甘い花の香りに包まれていて、それとは別にルカから香る甘い香りがどことなくいつもと違う気がした。
お日様を思わす暖かさ鼻孔をくすぐる心地よい香り。どこがと言われると微妙なのだが。
前にも増して、心が落ち着く気がした。
「今頃気づいた」
「……えっ?」
「香りはずっと、同じじゃない日々変化してる」
初めて知ることにサクナは驚く。
ルカと出会って三ヶ月その変化に気づかなかったから。

