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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第11章 ~ 落花流水の情~

「大きな変化じゃないけど、初めてあった時よりは、かなり変わってる、春の花を思わす香りは変わらないけど…………心地よさが、強まってる」
「あ……ルカも?」
「ああ、融合? 同化? よくわかんないけど、そんな感じ。だから毎日香りの記憶をしなきゃな」
ルカはサクナより香りを嗅ぐ能力が強く、香りを記憶すれば遠く離れててもわかるらしい。
サクナは近くにいればわかるけど、ルカみたいに居場所まではわからない。
「へぇ、そうだったんだ…………」
「惹かれ合うたび、混じりあう感じ? このまま、ずっと一緒にいればいつか同じ香りになるかもな」
────ルカと同じ香りに…………
「何か嬉しいね、ひとつになるみたい」
「ああ、香りに惹かれるってそういうことなのかもな。だから求めたくなるのかも」

