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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第12章 ~affection~

「想い出の形は人それぞれ、俺にとっては人生の分岐点だったからな。それが今に繋がってる」
ルカにとって、それはサクナとの出会い。
そして、前陛下の告別式の日。
ルカはだから悲しい瞳をしたのかも知れない。
それだけでもなく、もっとルカにとって大切なことのように思えた。
「ルカ……今、幸せ?」
「何気ない風景だけど、一緒に過ごしてるこの時も大切な想い出になっていくんだ。お前といる時が一番幸せだよ」
今、二度と訪れることのないこの瞬間。
ルカにとっては、何気ない瞬間。
だけど、サクナにとってはルカを想い出した瞬間。
想い出の形は人それぞれ。
でも、きっとサクナはこの日を忘れない気がした。

