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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
その日は、数名の侍女取り囲まれていた。
髪を結われロングトレーンにクリノリンまで着けて、挙式の予行練習を行う。
「行きましょ姫様」
大聖堂の小部屋、着替えを済ませ部屋からでようとしたとき、先にドアが開いた。
「サクナ、綺麗ですね」
────ヴィストーター様?
どうしてここに、と、サクナが怪訝な様子でヴィストーターを伺う。
「ヴィストーター様。失礼ながらここは控え室ですよ」
侍女のユイナはいつもの淡々とした口調でヴィストーターに物申す。
「はは、着替え終った後だし、そう言わないで」
「行きましょ。姫様」
ユイナは、小さな嘆息をつきサクナの手をとり控えの間から出てゆく。
「サクナ、僕がエスコートしましょう」