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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章  ~花嫁の苦悩~

 ユイナも強く言えないのか、すっと身を引きヴィストーターに変わる。

「あ、あのヴィストーター様。どうしてここに?」

「サクナが挙式の練習を行うと聞いてね。見に来たんですよ。ほら陛下は忙しいから護衛替わりにね」

「…………護衛?」

 ヴィストーターの役目はサクナの護衛ではなく、ミモリの監視である。しかし、さすがにそれをサクナが言うのは躊躇う。


「サクナを護る為の監視だからね、側にいるのが一番でしょ? ここは王宮から離れてますから」


 ニコッと笑顔を見せるヴィストーターにサクナは納得するようなしない様な戸惑いの返事を返す。

 重厚な扉の前で執事長のレオナールが待ち受けていた。レオナールも、ヴィストーターの姿を見て一瞬表情を変えたが直にいつもの凛々しい表情に戻す。

 大聖堂の扉が開かれ、サクナは息を呑む。

 
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