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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
人を傷つけることを嫌うのは祈り姫の血。
例え、自己防衛のためであってもそれを極端に嫌う。
「アイツはそのぐらいしないと調子に乗るから、揶揄のが趣味なんだ…………サクみたいなタイプには特に」
「…………迷惑な趣味だね」
「ごめん。サク……わかってた。きっと、こうなるんじゃないかって…………俺が許す、だからひっぱたいてやれ」
サクナは何故ルカがいつもと違うのか、ようやくわかった。
自分に怒ってるわけでもなくヴィストーターに怒るわけでもない。ルカは自身を責めているんだと。
ルカは悪くないのに…………
「揶揄のは…………気に入った娘にしかしない。だから、今度こそ気をつけろよ? 揶揄うちに本気にならないとは限らないから」
サクナは、うん、と頷き、ルカを抱く腕を強めた。