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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
厩舎にて、ルカは先に馬から降りサクナの脇腹を掴み、サクナを見上げる。
「こわかった?」
「うん……ちょっと」
陽の光に反射する蒼い瞳は艶めいている。
潤んだ瞳で切なげにルカはサクナを見ていた。
抱き上げられ、体重がルカに寄りかかる。
「…………」
目線はルカよりやや高い位置、肩にそっと乗せた手にギュウっと力が篭る。
サクナはそっとルカの唇に惹かれるように顔を近づける。
「陛下、お帰りなさいませ」
その声にハッとし、サクナは顔を上げる。
「あ……すみません。どうぞお気になさらず」
年配の厩舎に勤めてる人と思われる人物は、恐縮しながらも照れたようにふたりを見ながらルカの愛馬を連れて行く。