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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第2章  ~愛してるって言って?~

「さすがは祈り姫。躰は軽いですね」

「あ……はぁ」


 陛下の婚約者となったサクナは、王妃になるための講義を行うこととなった。
 その講師を受けてくれたのが陛下の世話役でもある執事長のレオナールだ。

 
 婚礼の儀は、三ヶ月より少し先となった。
 ユリウスの月は陛下の誕生日であり、その一週間前より誕生祭が盛大に行われる。

 挙式はその月の始まり、ルカの誕生の日に行うこととなった為である。

 そして、誕生祭は王宮にて舞踏会が開催される。

 サクナはその為に執事長より、ダンスの手ほどきを習っていた。

「そんなご不満な顔しないでください。これも務めなのですよ? 妃となるものは常に笑顔で対応してください」

 王妃に求められるのは陛下の嫡子を授かることである。そして、その次に大事なのが、淑女としての振る舞いだった。

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