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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第2章 ~愛してるって言って?~
サクナは不満があるわけではなかった。
彼女はあがり症なだけだ。
講義とはいえ、男性と体躯を密着させ手を取り合う事に恥じらいを感じてしまう。
小さな村で、恋愛もした事ないサクナにとって男性は不慣れだった。
「姫様、もしや緊張されてるのですか?」
言い当てられ、サクナはより羞恥がましてしまう。
「……なるほど、陛下が執心になられるはずだ」
「は、はい?」
「姫様、この先こういう場面は増えるでしょう、そのような態度ではいけません。王妃として少し毅然として頂かないと」
は、はぁ、と、サクナは嘆息混じりに返事をする。
「姫様、そこはニコリと微笑み、はいっとエレガントに返事をするところですよ」