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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
いつだって、サクナのピンチにはルカは駆けつけてくれる。
優しく抱きしめてくれる、手も繋いでくれた。
だけど、キスはしてくれない。
だから、サクナはルカの気持ちがわからなくなる。怒ってるなら、ちゃんと言って欲しい。
優しいから、その温もりを求めてしまう。
「触れたくないなら優しくしないで欲しい…………」
「違う、そうじゃない。俺は……優しくなんかない。身勝手なんだ…………本当はお前に触れたい。だけど、これは俺の戒めなんだ」
────戒め…………?
おもいもしなかった言葉にサクナは怪訝な表情でルカを見る。
そんな中、それでもルカはサクナの流れる涙を切なげに見つめながら指で拭う。