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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章  ~花嫁の苦悩~


「今日のサクは大胆で困る。湯殿は熱いからか? サクのぼせてない?」

 湯殿は蒸し暑い。
 躯も熱が冷めたり、すぐ熱くなったりと確かに、この環境がそうさせるのかも知れない。


「だいじょうぶだよ」

「そっか、じゃあ。湯浴びて早く上がろっか。このままだと、ここでお前を襲ってしまいそうだ」

「……別にいいけど……ここでも」

「だから、誘惑するなって。初めての一緒の湯浴みなのに、今度湯浴みを誘うときそれが目的みたいになるだろ?」


 散々厭らしいことしといて。
 サクナは今更と思いつつ、ルカなりの優しさなのはわかった。

「でも不純かも知れないけど、ルカと一緒に湯浴みできて良かった。こんなに愉しいならもっと早く一緒に入れば良かったな」

「…………愉しいのならいいけど。サクがのぼせたら大変。だからそういう事は今は言うな、我慢できなくるだろ?」


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