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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第14章  ~それぞれの幸せのかたち~

「……可愛いこというんだなサク。ホント、すごい幸せだ俺……もう、泣いてもいいかな」

「泣いちゃうの……?」

「泣きそ……マジで」

 サクナは意識が朦朧とするなかルカを見つめた。

「いいよ、ルカ……泣いてもいいんだよ」

 ルカは眼を潤わせクスッと笑い、優しく口づけをする。

「変わんないな……サクは」

「ルカもね……」

 ふたりは笑いあい、深い口づけをした。


 愛する人の精を受け、その子を宿せる喜び。

 それと同時に、ルカとひとつになる幸せ、それは子を欲しいと願う気持ち以上の熱い何か。

 その深いものはまだハッキリとはわからない。
 けども…………

 ────女に生まれてきてよかった。

 サクナは止まらぬ涙を流し意識が薄れゆくなか心からそう思えた。


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