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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

「……それでいい、サクの笑顔は俺が護るから何も心配するな」

 少し上に掲げた右手をキュッとルカは握りしめ、サクナの耳元でそう囁き、頬にキスをする。


「…………は、恥ずかしいってばっ」

「はは、ごめん……つい」

「……もう」


 謝るも悪びれた様子はなくルカはニコリと笑う。でも、その笑顔がどこかホッとさせてくれるのをサクナは知っている。

 いつしかサクナは周りを気にせずルカを見つめ、その身に任せステップを踏んだ。


 互を信頼しあい熱い眼差しを絡め合うふたり。

 ふたりのダンスは緩やかでやや華やかさをかける。しかし優美で和やかな雰囲気はダンスの技術だけではない優雅さをだしている。

 会場の者たちはふたりに魅了していた。


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