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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

大広間は次第に花舞う場へと変わる。
紳士淑女たちはパートナーを連れ皆も踊り始めた。
「……サク、疲れた?」
「ううんだいじょうぶ」
「そっか……でも、少し休憩しよ」
サクナがようやく会場の雰囲気になれた頃。
人々がすれ違うたびに会釈をしてくるなか、ルカは壁際にある給仕机にエスコートする。
「はい、どうぞ」
ルカはグラスに水を入れそれをサクナに渡す。
サクナが受け取りグラスに口をつけ水を喉に通す。
程よく冷えた水が喉が乾いていた事を教えてくれた。それすらも気づかないほど集中していたんだとサクナはゴクゴクと水を呑む。
「なんか食べる?」
「んー、えっと……」
給仕机の上には軽く摘めるものが色々と置いてありサクナは目移りしてしまう。
「コレ食べてみて?」

