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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)


 その事で陛下はナーシサス公爵を咎めることはなかった。だが、事はその信頼を裏切るような行為に、ナーシサス公爵夫妻も何事もなかったように出来なかったそうだ。


「娘はわたくしが責任をもって連れて帰ります。姫様、本当に申し訳ございません」

「いえ……陛下が気になさらずと仰っているのですから、どうかそのように…………」

 実際はサクナよりも陛下であるルカに対しての咎められなければならない行為。
 サクナはその犠牲になったまで、確かに酷い言われはしたもものサクナは根に持つタイプではない。

 それに、あの日以来ミモリには何もされてい無い。

「……ナーシサス公爵夫人、アナタ方に罪はない。ですが補佐官の行為は許されるものではない。それはわかって下さい」


 一度失った信用を取り戻すのは容易い事ではない、それは自身を護る為でもある。

 やられた事に対してとやかく言うつもりはない。

 ないが、補佐官と共に過ごせるほどの器量は持ち合わせていない。

 お互い干渉しあわないからこそ根に持たずに居られる。

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