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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章  誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)


「久しぶりだな、ポリアンサ伯爵は元気?」

「はい、お陰で様で。この度は父に変わりご挨拶に、挙式には両親も来れるそうです」

 冷静沈着、ポリアンサ家の血を見事に受け継いでいるロータスは低音の声だが、貴族らしく丁寧な口調だ。


「そっか……そっちの子は妹?」

 ルカがナシファーラに視線を移すと、

「初めまして、ナシファーラと申します」

 陛下を前にして緊張した様子もなく、ハッキリとした口調で挨拶をした。

 ほんの少し口角をあげ、切れ長の瞳で陛下を見ている。とても、年下には見えない貫禄。流石はポリアンサ家のものである。


「ナシファーラも、社交界デビューなんです。陛下妹と踊って頂けませんか?」

「サクの従姉妹のお願いとあらば無下にするわけにはいかないな」

「ありがとうございます。陛下」

 ルカは立ち上がりナシファーラの手を取りフロアへとエスコートをして行った。

 陛下が踊ると皆が注目する。




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