この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第16章 誕生祭 ~舞踏会の華たち~ (後編)

「そうだったの……」
ルカがサクナを心配する背景には、そういう事も関係しているのだろう。
「王妃様の一番の役目は御子を授かることですから。どなたも精神的にそれを重みに感じてしまいます。ですから、後宮には何人かの女性を集めるそうですよ」
血を受け継ぐ大切さはサクナも小さい頃から教えられてきた。その役目の大事さももちろん知っている。
なかなか嫡子に恵まれず気に病む王妃、それでも側室を取らず王妃を支えた陛下の愛。
それを臣なら支えるのが本当だと思うのは、サクナの理想に過ぎないのだろうか。
すべての人がそうであるとは限らないが、平和に見えてリキマシア国も野心家が多い。
いつの時代にも人が争うことを止めることは出来ない。

