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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第17章 ~久しぶりの再開、そして~
「ちょっとチョコ入れすぎたかな……」
自身で摘んで食べてみると、ほろ苦いチョコ生地にチョコチップの甘さが溶けだし口腔を甘ったるさが支配する。
「美味しい……と、思うけどダメ?」
好みは人それぞれ、母のような上品な味ではないが、この容赦なく甘いチョコがいい仕事をしている。
素朴な美味しさ。
しかし、王宮のお菓子も上品な甘さで作られている。
「陛下の口には合わないかな」
「ううん、良いんじゃない……ルカくん甘党だし」
「……むしろ、それがいい。俺には甘すぎるがな」
何だかんだとフォローしてくれるふたりだった。