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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第18章 ~混迷~
 
 今日は、晩餐会の前に領主たちとの会議が行われる。

「なるべく早く帰って来るけど、眠かったら先に寝てろよ」

「うん、わかった」

 昼食を済ませ、ケイルとジュリアンが後宮に戻って来たと同時にルカは会議に出かける。

 その、見送りをしているところなのだが。



 ルカは何かを待ってるかのようにジッとサクナを見つめた。

 サクナはそれが何かはわかっていた。

「ルカもあまり無理しないでね」

 と、サクナはルカの肩に掴まり、踵をあげ彼の頬にキスをする。

「場所、間違ってない?」

「ない、いいのそこで」

 ルカはフッと鼻を鳴らし。

「ん、じゃあ行ってきます」

 と、赤く染めるサクナの頬にチュッと音をたてキスをした。

 ニッコリと、真っ直ぐに向けられる笑顔にサクナは、より頬を染める。

 
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