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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
ミモリの落胆ぶりは異常だった。
最初から最後まで、彼女の行動は理解に苦しむ。
ミモリの執念はもっと強いものに感じた。
だからこそ、サクナは抗う事をやめ、活路を見だそうとした。
大罪を犯してまで、事を成そうとしたのに、陛下が現れ、ケイル剣を突きつけられた瞬間それを簡単に手放したかのように見える。
大人しくなったのなら、それでいいのだが。
彼女の思考はいつも腑に落ちず、モヤモヤとした霞が残る。
「うっ……」
サクナが治癒術をかけるとヴィストーターは眉根を寄せ表情を歪める。
「すみません……ヴィストーター様。少し……苦しいですが、じき良くなりますから」
「……あぁ……っ!」