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第19章 　~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~

　治癒術は、体内のエネルギーを利用し加速的に傷を癒すだけのもの、その際には血流が上昇し息苦しくなる。

　負傷が深ければそれだけ体力も必要とする。
　痛みを誤魔化す事は出来るが気だるさは残る。

　最も、高位治癒術を使えばそれすら癒せるのだが────


　しだいに、ヴィストーターは、表情を和らげ息を落ち着かせ始める。


「……ヴィストーター様、すみません」

「謝る事は……ないよ、礼なら受けるけど」

　ははっ、とヴィストーターは笑いながら言った。

　ヴィストーターに軽口を叩く余裕ができたのを確認し、ルカは落胆するミモリに近寄る。