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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「本当のことを言わないのなら俺は憶測でこの事件を収拾しなければならない。お前はコスモ国と繋がっているのか?」
ミモリは眼を見開きルカを見上げる。
「何故……に、そのようなこと……」
「消去法だ、お前が祈り姫を利用しようとするならばそれを欲してる人物でなければならない」
ミモリが内乱を企むなら、その背後に誰か協力者が必要だ。一番疑わしいのは、ミモリの父であるナーシサス公爵。
しかし、そうだとしたらミモリが口を閉ざす理由にはならない。と、ルカは考える。
言おうが言うまいが、ナーシサス公爵は罪に咎められる。王家に逆らう者の罪は何よりも重い。
「お前の単独であると言うなら、伯父殿を助けるために口を割るほうが得策だ」
陛下は話せば考慮すると言った。
だが、それでもミモリは口を割らない。