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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章  ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
 

 今回の事件を考えれば、罪を負わなければならないのはミモリだけではない。
 両親はもちろんのこと、陛下自身も監督不行き届きで罪に問われることだろう。

 そうなる事がミモリの目的なのか、そしてミモリは単独で事を成しているのか。

 ルカは全貌を明らかにせねばならない。

 一度はうやむやに終わらせたミモリの行動、それがこの大事件に発展したのだ。

 しばらく沈黙が続く、だがミモリの覚悟は変わらなかった。父のことを天秤にかけても尚、真実を闇に落とそうとしていた。


「…………言えません」

 ならば、嫌でもその口を開かせるまで。
 
 
「言えないのは、協力者を庇ってのことか?」

 沈黙は肯定と同じである。
 しかし、ミモリは口を閉すしかなかった。

「そうまでして言えぬことなのか? それほどお前の後ろにはとんでもない人物がいるのか?」

「違います……そうではありません。全てわたしが単独で行ったこと……」

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