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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「何も感じない、だからこそ見えることもある。あのヴァミンは人工的なものだ、そんな技術を考えるのはコスモ国ぐらいのものだ」
ルカは最初からそれを疑っていた。
恐らくは、ケイルとヴィストーターも。
彼らは気を読むことが出来るから、だから、陛下の憶測に異議を感じない。
「……陛下はどこまで存じているのですか?」
「わからないから訊いている、お前が恐れているのは、コスモ国と戦争になることか?」
サクナは背中がゾクッと震える。
無意識に、傍にいるヴィストーターを強く掴むほどに。
ミモリが口を紡ぐ理由。
サクナもようやくその意味を理解する。
何もかもがバラバラだった彼女の行動が、パズルのピースが埋まるようにピタリとはまってゆく。
────何を考えているのかわからない筈だ。