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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
その昔、まだ国というものがなかった時代。
術者はチカラ無きものを無能と罵り差別した。
チカラを持たぬ者は恥だと、その親ですら子を見捨てるほどだった。
その術者たちは、星のために存在する高貴な血筋だと、チカラの無いものは価値すらないと切り捨てたのだ。
居場所を無くしたチカラ無きものは、遠く離れた土地にてヴァミンに襲われる恐怖に怯えながら日々を過ごす。
それが全ての過ちだった。
術者たちは、見捨てるのではなく護るべきだった。
今、この現状を招いたのはその過去にある。