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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「チカラ無きものが生きるため。それが星の犠牲だとしたら、その者たちは何の為に生まれてくるのでしょうか」
その答えは、ルカもサクナも……古代の血を引く者たちは知っている。
サクナたちが願う未来、先人から受け継ぐ知恵と知識。
それはヴァミンに怯えることなく過ごせる星。
その為に、祈り姫は存在する。
術は戦うものではなく護るために存在する。
チカラ無きものが生まれるのは、その願いに近づいている証でもあった。
いつかは術者など居なくなるだろう。
戦うチカラなど、必要無くなるのだから。
皆が笑って暮らせる星、それが過去から未来へと受け継がれる願い。