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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
既にコスモ国は、その領域を越している。
自国の発展のため、エネルギーを吸い取り、必要以上にチカラを得た。
擬似ヴァミンを作り出すほどの技術。
明らかにそれは、星の混乱……平和を望むものの考える事とは思えない。
だが、彼女は口から出任せを言う理由がない。
本気でそう思っているのだろうか……
ミモリはそんな事も気づけないのか。
やはり、彼女の考えはわからない。
「話はわかった……お前は、双方を思って事を起こしたと思っているのだな? だが、それは間違いだ」
「ですが、陛下……それなら、コスモ国に何故歩み寄らないのです。リキマシア国は閉鎖し他国を受け入れない。陛下のことは信頼しておりますが、わたしはそれこそが間違いと思います」
陛下が他国を攻める為ではないのは、ミモリも承知しているとのこと。
しかし、星を想えば封鎖するのではなく、手を差し伸べるべきだとミモリは言う。
それが、本当にコスモ国の願いならばミモリのいう事も間違いではない。
だが、コスモ国がそんな事望んでいたら、そもそもこのような事態を起こすわけが無い。