この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「コスモ国王の狙いは、この星を支配することにある。内乱を治めるためではない」
「陛下、それは違います。スオウさまは、国を護るために」
「まだ、わからないのか。お前がサクを連れ去ろうとした本当の理由。ミモリはスオウを信じ込もうとするあまりそれに気づかないフリをしてるだけだ」
ずっと冷静だったルカも少し苛立った様子でミモリに言い放つ。
コスモ国の本当の狙いは古代の血だ。
「スオウが本当にミモリと国を築こうとしているのなら、そもそもこんな事を頼むわけがありません。甘い言葉に騙され、あなたは利用されただけだ」
「そんなこと……スオウ様は、わたしを望んでくださっています」
「なら、どうしてサクが必要なんだ。お前の言ってることは矛盾だらけじゃないか」
彼女がスオウと出会ったのはこの王宮に仕える前、ミモリはスオウの野望を叶えるために、補佐官となった。