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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章  ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~


「それなら……陛下も同じではありませんか、姫様を利用しその血筋を王家に継がせるためのこと。なら、姫様も利用されてるだけというのですか!?」

 彼女は何もわかっていない。

 愛する者のために力になりたい。
 例え、それが背徳だとしても────

 信じてるからこそ、そう思ってしまう気持ちはわかはなくもない。だが────問題はそこじゃない。

「同じなんかじゃない……あなたと一緒にしないでくださいっ」

 叫ぶサクナに、ミモリは視線を向ける。

「違う……? そう、だからわたしも利用されてるわけじゃないのよ」

「そんなことどっちでも構わない……でも、あなたのした事は間違ってる。星を守るためと言えば聞こえはいい、けどそれは強制的にすることじゃない」

「しかし、それが使命なのですから、言い方が違うだけで……」

「星を守りたいのは、そこに護りたい人達がいるから……祈りは使命でするものじゃない。敵国にとらわれどうしてそれを願える……祈り姫だって……普通の人にすぎない」

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