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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
こんな時にアレだが……小っ恥ずかしいのだが。
しかし、ミモリは至って普通に言い返してくる。
「そんなの……何とでも言える……」
「ああ、そうだ。だが、これだけはハッキリしている。スオウがサクを望むのは野心の為だ、そこに愛などない」
「当たり前ですっ! スオウ様が愛してくださるのはわたしなのですから」
補佐官だった頃のミモリが嫌がらせをしてきたのは、ルカへの嫉妬ではなくスオウからの嫉妬だったのだろう。
もしくは祈り姫であることになのかもしれない。
スオウが背景に居るなど知る由もないサクナは、ミモリはルカが好きだからと勘違いした。
「で、ミモリはそれをわかった上で、サクを狙ったわけなんだ。ホント愚かだよね、自身の愛のために愛する二人を引き離そうとするなんて」
「……しかし、それこそ陛下も同じではないですか、自身の為にわたし達を締め付けようとした」