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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「みんな綺麗ごとを言ってるだけなのよ。自身の愛のためなら、他人を犠牲にすることだってあるわ」
先刻まで自身の罪の重さに気落ちしていたミモリだったが、よほど『利用されてる』と言われたことが腹ただしかったのか怒りを顕にしだした。
「何もかもを一緒にするな。例えそうであっても結果、ルカは強制はしてないだろ。現にお前は事を起こした、よくも大口がたたけるものだな」
冷酷に言うケイルにミモリは、再び消沈した。
「望まれるあなたたちにわかるわけ無い……その血を受継いでると言うだけで、簡単に心を得られるのだから……」
他国であり、敵国のスオウとどのようにして、そういう関係になり得たかはわからないが、彼女もまたその中で色々あったのかもしれない。
必死に心を掴もうと、執着心が歪んだ愛へと変わってしまった。