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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第19章 ~歪んだ愛慕、愛執は星を狂わす~
「陛下、それは優しすぎるんじゃない?」
女性に優しいヴィストーターが異議を唱えた。
「別に温情をかけたわけじゃない。ミモリ、本当に両国を思い、和平を願うならスオウの心を解いてみよ」
「陛下!」
「もし、お前に対しての愛が偽りだとすれば、おそらくお前は捨てられるかも知れない。だが、それはお前のまいた種だ、リキマシア国に帰ること以外は好きにするがいい」
その言葉は、温情ではないと言ったルカの優しさでは無かろうか。
彼女への最後の警告、このままスオウの元に戻ればどうなるかは目に見えている。
それでも、彼女がスオウを信じるのなら、それはもう彼女の生き様であろう。