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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第21章 ~甘い香りに惹かれて~
まだ、夜も開けきらぬ月光が部屋を照らす。
ルカはベッドに眠る可愛い寝息をたてるサクナを起こさないように、そっと隣に横たわる。
諸国をまわりサクナに会うのは四日ぶりとなる。
久しぶりのサクナに自然と笑顔になってしまう。
今までの疲れが一気に飛んでいくような天使の寝顔。
サクナは寝てしまえば意外になかなか起きない。
それでもゆっくりと抱きしめ、鼻孔いっぱいに愛しい甘い香りを堪能する。
サクナのオデコにチュッと口づけをした時、
「ん……お帰りなさい、ルカ」
「あ……ごめん、起こした?」
まぶたを何度かパチパチとさせ、ルカの腕の中サクナはモゾモゾと動き、ギュウと抱きしめかえす。
「ううん、お疲れ様ルカ……本当は起きて待っててたかったんだけど」
「無理するなって、サクは自分のカラダを一番に大切にする約束だろ」
「待ってたかったの……ルカ、誕生日おめでとう」
天使の微笑み……ルカは、これまでにない高揚感に包まれる────