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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第22章 ~二人の未来~
王宮では、ふたりは執務に追われ多忙な毎日を過ごす。
子供も産まれ、ふたりきりになるのも久しくなかった。
恋人たちが交わすような熱いキス、慣れ染めた夫婦のようなゆっくりとした深い口づけ。
どちらでもあり、どちらでもない。
久しくなかった甘い感情に心までもが高鳴る。
「……っ、ん、んぅ……ル、ルカ。だ、ダメだよ……」
「ダメ? 誰も見てないよ」
「そ、そういう問題じゃ」
「そうだな、サクが風邪をひいたら困るしな。仕方ない。今は我慢するよ」
────そう言う問題でもないんだけど。
「でも、もう少しだけ……くちづけしよ?」
「変なことは駄目だからね?」
「わかってる……俺も、そこまでもうガキじゃないよ」
「ならいいけど」