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濡れて堕ちて……
第12章 審判

「あ、あ…浩一…?」




な、何…?

何なの、これ?


え、何で浩一は私をベッドに押し倒しているの?



普通、不法侵入してる徹を押し倒して警察に突き出すんじゃ…?


考えても考えても、今のこの状況は理解出来ない。


ポカーンとする私に


徹が


信じられない種明かしをしてくれた。




「陽子さんが俺に監禁されてたっていうこと、浩一さんはもう知ってます」




え…





目の前と頭の中が真っ白になった。






浩一は知ってた?





監禁されてたって…、知ってた?






「あの日、浩一さんが俺の部屋から帰った後、次の日ぐらいに俺から浩一さんに連絡したんですよ。

『あれは陽子さんの意志じゃなく俺が無理矢理してる事です』って」




だったら、余計にわからない。


妻に無理強いをしてた男が目の前にいるのに何で浩一は徹じゃなくて私を?


私の意志じゃないとわかってるならどうしてこんなはしたない格好までさせたの?



「浩一さんは、俺と同じサディストの香りがしたんです。
陽子さんに対する仕打ちや愚痴を聞いててわかったんですよ。
『多分、浩一さんは俺と同じだ』って。

同じ匂い?香りっていうのかな?」




まさか…。

まさか、浩一まで…?




違う…。

違う、違う!!

絶対に違う、浩一…っ!!









「陽子さんのそばのサディストは俺だけでいいんで浩一さんには消えてもらうつもりだったんですけど、予定変更しました。

『浩一さんもこんな淫乱な女と冴えない日常を過ごすよりこっちの世界に来ませんか?』って、誘ったんです」






にっこり笑ったその顔は





ひだまりのような、そんな暖かさえ感じたのに













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