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妄獣
第1章
──さて。妄想もハマり過ぎるとどうなるか。
答えは簡単。現実にしたくてたまらなくなる。
今日も今日とて、彼女の部屋宛の荷物があった。
『あ、はーい、ご苦労さまです!上がってくださーい』
──キた!
呼び鈴鳴らせば、いつものように応答してくれた彼女。もうそれだけで半勃ちになってんのが判る。
エントランスを通り抜け、エレベーターに乗り込んで。
パネルに表示される階数の数字が増えるに連れて、俺の心拍数もどんどん上がっていった。
──ヤれ。ヤれよ。ヤれって。
そんな声が頭ん中で繰り返す。…どうする?どうする?
『妄想』を『現実』にしてしまおうか?
平日の昼下がり。防音対策万全の部屋に、女の子が独り、玄関の中まで無防備に迎え入れてくれる。
笑顔、声、でかい胸、柔らかそーな二の腕、小さくない尻、細くない脚。今まで妄想の中でしか触れられなかったそれら全部が全部、俺のもんになる。ぐっちゃぐちゃに舐め回して、どろっどろに汚せる。
彼女の心は死ぬだろうし、俺はセー犯罪者に成り下がり、社会的に死ぬかもしれない。…あああああ!んなことどうでもいい!
──ヤッちゃえよ。俺の中の獣がほくそ笑んだ。
玄関ドア前に辿り着いた。住戸用インターホンを鳴らす。
『今開けますねー』…彼女の応答を聞いた瞬間、心拍数は一気に上がり、アレも痛いくらいガン勃ちした。手に持った荷物に隠れてパッと見は判らないけどね。あぁあ早くこんなモン放り捨てて、彼女を──…
「…!」
ガチャリ──…内鍵が外された。
さあ、ほら、開けろよ。ほら、早く!!
俺が貪り尽くしてあげるからさ──獣みたいに!