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初めての体験は、自分の意識が
第1章 ような気がしてしまうので、もうあまり抵抗できないのだった。
「ああ、それってきっとタマちゃんだわ」「えっ、誰? 知ってるの?」「ええ、知っているわ。彼女はタマちゃんって言うの。私の友達なの」
「えーっ、嘘だぁ。あのね、その子、夜になると現れるんだって。白い服を着た女の子が」
「うそっ、ホント!?」
「ほんと、ホント。だからね、あんまり遅くまで遊んじゃだめなんだって」
「へぇ、そうだったんだ」
「じゃあね、バイバーイ」
「あ、ばいばーい」「……」
「……」
「あ、あのさ、うちでゲームしない?」
「あ、うん。いいよ」
「やったぁ」
「えへへ、楽しみ」
「そうだよね。こんなに暗くなってくると、やっぱり寂しいもん」
「あたしも」
「あ、ここ曲がってすぐの家なんだ」
「お姉さんって一人暮らしなの?」
「ううん、お母さんがいるよ」
「へえ、仲いいの?」
「うーん、足が無いの」「え? どういうこと? 事故とか病気とかしたの?」
「うーん、よくわからないけど、ある日突然居なくなっちゃって、それでそのまま帰って来ないんだよ」
「そうなんだ。可哀想に」
「うーん、そうかな。そうかもね。でもしょうがないよ。死んじゃったものはどうしようもないんだし」
「そうだけどさ、もっとこう、悲しくないの?」
「悲しい? どうして?」
「どうしてって……そりゃ、いなくなったら寂しいでしょ」
「そうかなぁ。私は別に平気かな。一緒にお墓に入ってくれる人がいるから」
そういって牛刀を取り出した。刃先がギラついている。「ねえねえ、その包丁で何をするつもりなの?」
「あなたも死んでくれるのよね」
「ちょ、ちょっと待ってよ」
「私ね、ずっと我慢してきたのよ。ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずーっと、我慢してきちゃったの」
「あ、あはは。じょ、冗談きついなぁ」
「本気よ。すぐ楽にしてあげる」
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