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体育館裏の木陰
第1章 二人の乙女の独白を聞いていたボクは思わず絶句してしまった
すると目の前に、例の問題の教師がいるではないか。しかもなぜか怒っている。なぜ怒ってるのかは分からないが、 きっと私が沙世子にしつこく話しかけたことに対しての怒りだろうと予想がついた。なので、素直に謝ることにしておいた……のだが…… なぜか更に怒ったようで「どうしてあんな風に彼女にしつこく絡むようなことをしていたのかね?」
「……すみません」と言うしかなかった……だが、次の瞬間、私は耳を疑う言葉を耳にしてしまうのだった……「……君たちは恋人どうしなのかね?」
は……は……?今なんて……!?……

(どういうことだ……?)
と思わず聞き返してしまうところだった……(まさか先生の口からこんな言葉が出るとは夢にも思わなかったからだ……まさか私たちの関係がバレている……?)と思ったもののどう見ても、そんなことは無さそうな様子だったのでひとまず落ち着いて考えてみることにすることにした……。
しかしいくら考えようとしても、そんな可能性はまず考えられないのだから結論など出てくるはずもなかった……いかんせん今まで全く接点がなかった人物なのだから無理もない。ではいったい何故いきなりそんな事を言ってきたのかという理由がわからない。
しかし、仮にそうではないにしてもこの人に知られてはいけない気がしたのでとりあえず否定しておくことにした。すると「そっ、それならいいんだよ」と言われて解放された。
その様子を見つめていたサンダーソニアの目つきはとても鋭かった。

* * *

* * *
サンダーソニアは思う ――まさか先生までがソニアのこと狙ってたなんてね……。
潮田玲は考える。
(なんで急にそういう話を振ってくるんだろう……?)
――それにソニアはあの先生のことが好きだったはずだし……一体どういうことだろう…… 二人はお互いに相手の出方を伺いながら考えているのであった……。
そして二人は同時に動き出した。
「あっ、待て!まだ話はまだ終わってない!」
そう言って追いかけようとするその男の襟元を掴むサンダーソニアの姿がそこにはあった。
☆★☆★
(よしっ……、なんとか間に合ったみたいね……。玲、あなただけは私のそばを離れさせないんだから……。絶対に離さないから……。)
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