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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第1章 幸せの風景(第一部)
そのために、青春の全てを捨てたと言っても過言ではない。

明るく素直な少女に成長した圭子を、心から愛おしく見つめている。

だから夫の友人に対しての悪口等、たとえ冗談にしても娘には口にして欲しくはない。

(でも・・・)

香奈子自身も、否定出来ない何かを感じていた。

勿論、竹内の容姿の事ではない。

久しぶりに会った男は、昔のイメージとかけ離れていた気がした。

十七年ぶりだから無理は無いかもしれない。

まだ少女だった頃に一度、紹介されただけなのだから。

それでも男は変わったと感じたのは何故だろう。

粗暴な雰囲気以上に不気味さを覚えたのだ。

「フフフ・・・」
「ハハハ・・・」

夫と娘が何か囁き合いながら笑っている。

会社の社長という多忙な毎日の中、朝食だけはなるべく一緒にとるようにしてくれている。
優しい夫である。

「フフ・・・」

香奈子も思わず笑みをこぼした。

だが、男の顔が浮かぶとその表情も何故か強張ってしまう。

笑顔で朝食をとる親子三人。

この幸せな風景が、いつか壊されてしまうような、そんな得体の知れない不安を感じる香奈子であった。

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