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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第2章 三度目の訪問
「ごちそうさま・・・・・」
「あら、もういいの?」

席を立とうとした圭子に、母が心配そうに尋ねた。

食べかけのトーストと手のつけていないベーコンエッグが皿に残されたままだ。

「食べたくないの・・・」

力のない声に、晴彦は新聞を読むのをやめて娘を見た。

(少し、痩せたんじゃないかな?)

いつも溌剌としていたのに、この頃、元気が無いように感じる。

「せめて、お茶だけでも飲んでいったら?」

香奈子がすすめるままレモンティーを一口すすったが、すぐにカップを置いた。

苦そうな顔をしている。

つい最近までは、嬉しそうに飲んでいた筈だ。

『パパのお友達にいただいたレモンティー、すごくきくみたい・・・ほら、やせたでしょう・・・・?』

朝食のたびに自慢げに話していた圭子は、二度目に竹内が訪問した時などは、香奈子を手伝って料理も作ってもてなした程なのに。

それが、奴が昨日三度目に来た時は、殆ど口をきこうともしなかったのだ。

さすがに、毎回夕食を共にさせるのはまずかったかと後悔していた。

いくら昔の友人とはいえ、家族にもてなしを強要する事もなかったのだ。

只でさえ忙しい晴彦にとって、家族団欒は貴重な時間であるのに。

「ううん、本当にいいの・・・・昨日、余り眠れなかったから・・・」

「そう・・・・大丈夫かしら、熱はない?」

心配そうにオデコに手を当てる妻は、反対に元気そうに見える。

一時はダイエットしすぎたのか、やつれて見えた時期もあったが今は顔色も良く益々若返ったようにも思える。

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