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第10章 勝手なことしやがって〜翼side〜


仕事から帰ってきて家の玄関に足を踏み入れた時にいつもならついている電気がついていなかった。


まだ理恵は帰ってきていないんだと思いつつリビングに入るとダイニングになにか置いてあった。

そこにあったのは手紙と封筒に入った大金だった。


置き手紙には別れる、ここを出ていく、金を返す…


勝手なことばっかしやがって。


俺はすぐに理恵に電話をかけたけど出てくれることはなかった。

金が足りなかったら言えって言っといて電話に出ないと伝えようがないだろ。なんて思いつつまたすぐにある人に電話をした。


「お疲れ様です。藤堂ですが。
あの、月島の緊急連絡先ってわかりますか?」


人事部長にお願いして連絡先を聞いたけど実家の電話は現在使われていないらしい。

住所を聞いたから明日の休みに行って心を鬼にして理恵を連れて帰ってこようと思う。


はぁ…一人ってこんなにつまらなかったんだな。
最近は理恵がいてくれたからこの家に一人だと静かすぎて落ち着かないようになっていた。


こんなことして職権乱用だな。
クビになんねぇかな俺…



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