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好きになってくれてありがとう
第13章 ただいま東京


準備を終えて二人でお店に入ると朝早いのに焼きたてのパンのいい香りが店内に広がっていた。


「このクロワッサンが美味しいの!あとこれも!あ、これも美味しいよ?」

「理恵、明日の朝には東京に戻るんだ。そんなにあっても食べきれないだろう。」


そっか。嬉しくてあれこれ勧めていたけど明日東京に帰っちゃうのか…

数日一緒にいると離れるのが寂しくなるな。
けど翼さんは仕事があるし引き継ぎだって部長という管理職者は大変だと思う。


「いや、買っていこう。今日食べられなかったものは冷凍して向こうでも食べられるだろう。」


どんな顔をしてしまっていたのか翼さんに気を遣わせてしまったようで更に申し訳なくなってしまった。

「たくさん食べて病院に行こう。」

いつも優しい翼さんはそう言ってたくさんのパンを購入した。

こんなに買う人はいないだろうと思うくらい。
お店の人がサービスでラスクまで入れてくれていたのだった。


病院に向かうまでの途中にある公園のベンチに腰を掛け二人でパンを食べた。
コンビニでホットコーヒーを買ってランニングしている人や犬の散歩をしている人を見ながら朝食をとる。


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