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好きになってくれてありがとう
第13章 ただいま東京


「でも、マンションだから飼えないよね…」

少し残念だったけど仕方ないことだと思っていると翼さんは笑っていた。

「マンションの下にペット専用の足洗い場があるの知ってるか?
賃貸はダメだろうけど分譲部分は問題ない。
だから理恵が飼いたいなら迎え入れるのは可能だけど?」



嘘っ、そんなのあったの?って思っていると確かにエントランスホールの隅にあったような気がしてきた。


「いつかふたりの生活が落ち着いて余裕が出来たら考えたいかも。」

「うん、いつでも言って。」

「ありがとう」


朝食のパンを食べて二人で面会時間になるくらいに病院へと行った。

入り口で面会のための記帳をした。


藤堂 翼    義息子


丁寧な文字でそう書いた翼さん。
毎日通っていたから警備のおじさんと仲良くなっていた私は驚かれる。


「あれ?結婚したのかい?」

「いえ、まだですけど…」

「それにしても君どこかで会ったことあるような…」


翼さんを見て思い出そうとしているのだろう。
一生懸命考えて忘れてしまったわ!と笑っている。


「はい。藤堂グループ本社でしょう。」

「おー、そうだ!」


思い出せてスッキリしたあとすごく驚いていた。


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