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好きになってくれてありがとう
第14章 帰ってきた二人


夢中になっていたけどここは玄関だからくちゅくちゅとキスの音が響く。

「ここ玄関だし中入ろう。」


持って帰ってきたキャリーを運んでくれようと翼さんが手をかけたときにインターホンが鳴った。

それはコンシェルジュの方がいる受付からで預かっていた荷物を運んでいいかという連絡だった。


翼さんはあと15分後にお願いしますと伝えて会話を終えた。


「今からでもよかったんじゃ…」

「いや、やらなきゃならないことができたから。」


そう言うと私を洗面室に押し込んだ。
そして大理石で出来た洗面台に座らせるとさっきの続きのようにキスされる。


上から見下されているようになっていて抵抗することもできない。
いや、そうじゃない。抵抗するつもりがないのは私だ。

キスをしている間に身に着けていた洋服はあっという間に下着だけになっている。

そして洗面台から降ろされ体を反転されると大きな鏡に下着姿になった自分の姿が映し出される。


翼さんは洋服を付けたままだ。

下着の上から胸を触っているのが丸見えで恥ずかしい。
目線をそらそうものなら翼さんがそれを許してくれなかった。


「翼さん…恥ずかしい。」


それだけ発するのが精一杯だった。



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